運命の出会いって信じますか？

「任せるよ。でもいいな、こういうつながりって。俺は一人っ子だからさ。」

意外な柏木さんの言葉。

「柏木さんって妹が居て溺愛しているのかと思っていました。」

私は思わず言ってしまった。

そうでなければあんな風にお姉ちゃんを手なずけてしまえるとは思えなかったから。

「まあ、両親を早く亡くしているから、いろいろと苦労しているんだよ。だから陽は俺の大事な家族になるんだ。」

あらら、名前まで呼び捨てになっている。

「…もう一人増えるのよ。」

「えっ～！？」

お姉ちゃんのその言葉に私と英輔は驚きの声を挙げた。

「最初から避妊しなかったら。これで陽は俺から逃げられない。」

恥ずかしそうに柏木さんが照れている。

「それで挨拶を急いだの。でも子供の事はまだ両親に内緒ね。さすがに早すぎるもんね。分かったばかりだし。」