運命の出会いって信じますか?
お姉ちゃんの表情がすごく柔らかい。
いつもどちらかというと、つんとした感じを与えるお姉ちゃんとは違う。
きっと私が早く居酒屋から帰ったあの日、話し合った結果なんだろう。
お姉ちゃんが部長さんに会いに行く前日…。
「華、俺達も急がなくちゃ。」
そんな英輔の言葉に思わず私は吹き出してしまった。
「お姉ちゃん達は何でも早いけど、私達は私達のペースでゆっくり行こうよ。」
英輔は私の言葉に納得しながらも不服そう。
「俺も華との子供が早く欲しいんだよね。」
そんな事を言う英輔は初めてで、私は目を丸くする。
以前そんな事を聞かれたような気がしたけど、英輔の気持ちは聞いていなかったな。
「華、いとこが同級生っていうのもありかもね。」
意味深にお姉ちゃんは笑う。