運命の出会いって信じますか?
ここまで考えて溜息をついた。

やっぱりあの子に聞くしかないのだろうか。

明日の昼から会って欲しいと言った彼。

さて、どうしたものだろうか。

わざと外出しても、きっと次の配達時に顔を合わせる事になってしまう。

「いっそのこと、明日はっきりさせようか。今日は私も油断していたけど、隙を見せなければ大丈夫だよね。」

仕方なく私は腹を決めた。

その夜はなかなか寝付けなかった。

例え仕方ない状態だったとしても、英輔以外の男の人にキスされた事に気分が重くなる。

いつもなら覗くパソコンも今晩は立ち上げる事も出来なかった。

「英輔、ごめんね。」

私はそうつぶやいて、眠りについた。













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