運命の出会いって信じますか?
「ますます目が離さなくなってきたよ。今はコップを逆さにしてこぼした。」

お姉ちゃんの笑い声はますます大きくなった。

「明佳はどう?」

私は目で真先を睨みながら言った。

「そうね、あんまり今の華みたいに大きな声を出す事は無いかな。どちらかというと正仁の大らかな性格に似たみたいね。」

そんな事を言ったお姉ちゃんの声のそばから、明佳の声が聞こえた。

「明佳、聞こえる?」

私がそう話しかけたから、お姉ちゃんも明佳の耳元に電話を近づけたようだ。

まだうちの真先と同じで言葉ははっきりしないけれど、ご機嫌な声を出しているのが聞こえる。

すると真先がニコニコしながら、私の方へよちよちとやって来た。

「うわっ。」

真先はバランスを崩すと、私に向かってなだれ込んで来た。

「今度は何?」

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