運命の出会いって信じますか?
それも真先を産んだ次の年の正月休み。

1年以上名古屋には行っていない。

「今度の正月には岐阜にも3人で行ってみるか。」

英輔が言った。

英輔の実家である岐阜にはまだ真先を連れて行った事はない。

その代わり、英輔のご両親は私が真先を産んだ後、しばらくここに手伝いに来てくれた。

私の両親は、数か月前に出産を終えたお姉ちゃんの事で手がいっぱいだったから。

「出産後はしっかりお世話になったからね。一度はこちらから岐阜にも出向かなきゃいけないね。」

「親父もお袋もきっと喜んで、周りの親戚を呼ぶぞ。」

真先が生まれた時、あんなに喜んでくれた英輔のご両親。

出産後イライラしていた私に気長に付き合ってくれたお義母さん。

田舎の主婦はどんと肝っ玉が据わっていた。

「あれ?真先は?」
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