運命の出会いって信じますか？
「俺も仕事に行ってくるよ。」

そして颯爽と総務部を出て行った。

私はその姿を塚田部長と見送った。

「さっ、君のデスクはあそこだ。」

その指さす方向を見ると、一つの空いているデスクがあった。

総務部も課ごとにスペースが区切られているようだ。

「必要があって契約検査課が新設される事になった。当分は私と日下さんだけでこの課の基礎を作って行く事になる。大変だけど大丈夫かな？」

塚田部長は優しく微笑んだ。

英輔は肝心な事を話してくれていなかった。

私が考えていたよりもその仕事内容は大変そうだ。

「新設って…、もしかして仕事をしながらマニュアルも作って行くという事ですか？」

私は不安気な顔を塚田部長に向けた。

「そうなるね。今まではすべての契約関係は各支社に任せっきりだったんだ。しかしいろいろと不都合も出て来てしまったので、本社に契約に特化した課を作ろうという事になったんだ。」
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