運命の出会いって信じますか?
6
「華。」

私はその声に、パソコンから視線をあげた。

「定時を1時間ばかり過ぎたけど帰れるか?」

「ええっ?もうそんな時間?」

私は慌てて時計を見る。

「今日は俺も早くキリが着いたから、一緒に帰ろう。」

私はうなずくと、塚田部長に声を掛けた。

「今日の分まで部長のパソコンにデータを送っておきますので、内容の確認をお願いします。もし不備等あれば、明日にでもまたご指摘下さい。今日はこれであがらせてもらいます。」

すると塚田部長がうなずいた。

「はーい、日下さんお疲れ様。」

私はそこにいる総務の人に頭を下げながら、そのフロアを出た。

「真先はどうだろうね。」

英輔はちょっとそわそわしたように私に言った。
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