運命の出会いって信じますか?
「昼休みに覗きに行って来たけど、普通と変わらない感じだったよ。」
木下さんから合図を送ってもらって、真先に気づかれない様に戻って来た事を英輔に話した。
英輔がうなずきながら、託児所のドアを開けた。
「真先くん、お父さんとお母さんが来たわよ。」
積み木を高く積んでいた真先は木下さんの声にチラッとこっちを見たが、また積み木の方に向き直った。
英輔と私は顔を見合わせる。
「全然人見知りもしないで、マイペースなお子さんですね。」
木下さんはニコニコ笑う。
真先は自分が積んだ積み木が崩れると、こっちへよちよちとやって来た。
そして私に抱っこをせがむ。
「良い子過ぎたから、きっと疲れていると思います。帰ったらぐずるか、逆にあっけないぐらいすぐに眠ってしまうかですね。」
木下さんは私に抱かれた真先の顔を覗く。