運命の出会いって信じますか?
でも今日は彼が私を見て、一瞬止まった。

「何か?」

首を傾げて聞く私に、彼はハッとしたようだ。

「いえ…、もしかしてすっぴんなのかなと思って。」

言いにくそうにそう言った彼は、もう一度私の顔を見る。

「ははは、分かっちゃいました?」

今日は出掛ける予定もなくて朝からのんびりしていたので、化粧もしていなかった。

つまり今起きたところ、いわゆる今朝は寝坊をした。

「お姉さん、もうすっぴんはやばいんじゃない?」

冷やかすような表情の彼はクスリと笑った。

「失礼ね。どうせ私はあなたからしたらおばさんよ。」

私は思いきりムッとした。

思っていても口に出さなきゃいいのに、失礼な子だな…。

そんな私を見てニヤリと笑って、彼は去って行った。
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