運命の出会いって信じますか?

しまった。

私は慌てて真先をあやしていると、私を呼ぶ声がした。

「華ちゃん、大変だろうと思ってホームまで迎えに来て良かったみたいだな。」

そこにはいつ見ても大きな身体のお兄さんの姿。

「お兄さん、こんばんは。」

私は思わず挨拶をした。

お兄さんはゆっくりうなずくと、私の手から荷物を受け取った。

「真先くんは身体がしっかりしているな。やっぱり男の子だな。」

ニコニコとお兄さんは真先を見つめる。

真先は不思議そうにお兄さんの顔を見つめ返す。

「真先くんは泣かないんだな。うちの明佳は人見知りして、知らない人の顔を見ると泣き出して困っている。」

そんな事を言いながらも、その笑顔は親バカそのもの。

英輔の様子と重なる。

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