運命の出会いって信じますか？

しかしソファに座っている生都くんの足にまとわりつく真先。

「真先に気に入られたみたいね。」

私はくすくす笑う。

生都くんは意外な出来事に、恥ずかしそうだ。

「それより…、どうして生都くんが東京に居るの？」

私は早速生都くんに尋ねた。

「俺さ、宅急便の配達をしていただろう？でも一応幹部候補生として、大卒で会社に入社したんだ。半年ほど前に東京の本社に呼ばれて、幹部見習いを始めたってわけ。」

そう言って私に名刺を渡した。

－本社営業部　調達課　相田生都－

「裏に俺のプライベートのスマホの番号書いといたから、何か困った事があったら連絡ちょうだい。」

以前よりずっと大人になったその笑顔に、私は少しほっとする。

しかし生都くんは目を伏せた。

「柏木さんから連絡をもらったんだ。華さんのご主人が飛行機事故で亡くなったって。多分華さんは東京に知り合いが居ないはずだから、ちょっと様子を見に行ってほしいって。」