運命の出会いって信じますか?

「辛いよ…。私には英輔しかいないと思っていたから。ずっと一緒に居るって約束したのに、自分だけさっさといなくなっちゃってさ…。」

私の口から次々と英輔に対する愚痴が出てきた。

横でうなずきながら、だまって生都くんは聞いている。

そしてその視線は、時々真先に注がれる。

「まだ結婚して2年しかたっていないのに、まだこんな小さな子供を置いて行ってしまうなんて…。」

私は伝ってくる涙を止められなくなって来た。

すると生都くんはそっと私の横に来た。

そしてその大きな身体で私を包み込んでくれた。

「きっと家族にぶつけられない思いもあったんだろう?良いよ、俺は何も言わないから今胸に残っている事を全部吐いちゃいなよ。我慢はいけないよ。」

最後に会ってから2年程しか経ていないのに、生都くんがすごく大人になったように感じて…。

真先がソファによじ登って来て、私を包んでいる生都くんの背中からよじ登るように、首に縋り付く。

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