運命の出会いって信じますか?
私は生都くんの腕から抜け出すと、真先を生都くんの背中からはがした。

「布団はどこ?」

生都くんは立ち上がってきょろきょろした。

「向こうの隅に真先のお昼寝用の布団があるの。」

生都くんは布団に気が付くと、準備してくれた。

私はそこに真先を寝かす。

「可愛い顔をして寝ているね。」

生都くんは真先の顔を覗きこんでいる。

「真先くんは旦那さんに似ているね。」

ぼそりと生都くんはつぶやいた。

「そうね。」

私はそれだけしか答えられない。

「俺、そろそろ帰るよ。」

そんな生都くんの言葉に私は振り返った。

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