運命の出会いって信じますか?
「ご飯ぐらい用意するよ。」

私が立ち上がろうとすると、それを生都くんが手で制した。

「俺の事は気を使わないで。それより日曜日もここに来ようと思っているんだけど、どう?」

「お休みの日ぐらいゆっくりしたら?それに若いんだから出掛ける所はいっぱいあるでしょう?」

私は笑って答える。

「華さんこそ、まだまだいろいろとしなくてはいけない事があるだろう?その間に真先くんの面倒を見るよ。幸い、俺は真先くんに気に入られたみたいだからね。」

正直その生都くんの申し出は有りがたい。

やっぱり英輔の物も含めて、家の中を片付けないといけない。

家賃の事も考えると、ここを出ていく事も考えなくてはいけないから。

「じゃあ、お昼と夕飯ぐらいはごちそうさせてもらうわ。それでどう?」

私の申し出に、生都くんは嬉しそうに微笑んだ。

「お節介かもしれないけど、しばらく休みの日は通わせてもらうよ。華さんが身体でも壊したら、ご主人や柏木さんに怒られてしまうからね。」
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