運命の出会いって信じますか?
「でも、生都くんだって予定があるでしょう。良いのよ、そんなに気にしてもらわなくても…。」
すると生都くんは少し怒ったような顔をする。
「俺だって華さんと一緒だ。こっちには会社以外の知り合いは居ないから。休みは暇なんだよ。」
言い捨てるように言った生都くん。
そんな姿はやっぱり私より6歳も若い事が感じられて…。
「自分の予定を優先させてね。でも真先を見てもらえるのはとっても助かる。」
私は正直に生都くんにそう伝えた。
「じゃあ、また明後日来るよ。」
生都くんを玄関まで送って行った。
「生都くん…、本当に今日はありがとう。」
私は玄関を出て行こうとした生都くんの背中にそう言った。
生都くんは振り返ると、ニッコリ笑った。
「早く華さんには元気になってもらわないとね。」