運命の出会いって信じますか?
「華を連れていく事も考えたが、何故だかそれは違うような気がしてな。
お互い一度離れて、ちゃんと考えよう。」

英輔は私に答えを求めずに飛び立っていった。

英輔はいつもこうだ。

わがままでいい加減な私の気持ちを一番に考えてくれる。

優しくて、心の広い人だ。

何度この大きな気持ちで私を包み込んでくれただろう。

それからの英輔は必ず週に1回、自宅のパソコンに長いメールを送って来てくれる。

そこには英輔のタイでの日常が広がっていて、私はそれを読むのを楽しみにしていた。

私は返信をしない。

その代わり月に1度ほど、こちらから国際電話をする。

英輔の声が聴きたくて聴きたくて、寂しくてたまらなくなるから。

こんな感じでもう2年が過ぎた。

残業を終え、会社から帰宅後パソコンを開くと、今日は英輔からのメールが届いていた。
< 4 / 478 >

この作品をシェア

pagetop