運命の出会いって信じますか?
「じゃあ、いろいろと若い人に頼る事も覚えなさい。」

冗談とも本気ともつかない生都くんの表情。

私達の声に、真先が目を覚ましたようでパタパタと走って来た。

そして真先は生都くんを見ると、ニッコリ笑って手を差し出す。

一度生都くんは私を見てから、真先に向き直ってしゃがんだ。

そこに当たり前のように飛びつく真先。

そんな真先を生都くんはさっと抱き上げた。

「おはよう、真先くん。」

生都くんがそう声を掛けると、真先はそれに答えるように頭を何度も縦に振る。

「可愛いな。」

生都くんが真先に頬ずりする。

真先はくすぐったそうに、生都くんの顔を触る。

その様子を見て、私も笑ってしまった。

「華さん、俺は真先くんと遊んでいるから。」

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