運命の出会いって信じますか?
真先に手を引かれて、生都くんはリビングに連れて行かれた。

「何かあったら呼んで。寝室で荷物の整理をするから。」

私は寝室の方を指さして言った。

生都くんがうなずくのを見て、私は寝室へ入った。

そこには写真たてに私達の結婚式の写真が飾ってある。

私はそれを見て、熱いものがこみ上げてくるのが分かった。

慌てて写真たてを伏せる。

ごめんね、英輔。

まだ平穏な気持ちで、あなたの顔を見れない…。

寝室のあちこちに英輔を感じてしまう。

クローゼットにも英輔のものがあふれている。

「まだ無理だ…。」

私は寝室を出た。

リビングで生都くんと真先の声が聞こえる。

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