運命の出会いって信じますか?

そう笑い飛ばす生都くん。

絵本を読む声が止まって、真先が生都くんの足をたたいている。

もっともっととせがんでいるようだ。

「華さんより真先くんの方が素直だ。華さんも無理に元気なふりをしなくてもいいんだよ。泣きたい時は泣けばいい。だんだんと笑える回数も増えていくよ。自然に振る舞ってよ。」

そう生都くんは早口に言うと、真先にうなずいて絵本を読み出した。

もう、生都くんの前で自分をごまかすのは辞めよう。

私はそう思った。

生都くんには何をしても隠し切れない。

私は気持ちが軽くなった。














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