運命の出会いって信じますか?
「勝手に生都くんに連絡を取って悪かった。ずっと謝りたかったんだ。」

第一声でお兄さんはそう言った。

「ううん、生都くんに真先も懐いて、とても助けてもらっているの。」

私はお母さんやお姉ちゃんには話していない事を素直にお兄さんに話した。

「そう言ってもらえたら、気が楽になるよ。」

お兄さんはそう笑った。

「きっと男の手が必要になると思ったんだ。」

私は日々の事を詳しく話した後、お兄さんに口止めをする。

「生都くんの事はお姉ちゃん達には内緒で。」

お兄さんの困ったような笑いが聞こえた。

変な誤解を与えて、もっと心配を掛けたくなかったから。

そんな事を思い起こしながら、今日は仕事を進めていた。

私は時計を見て、真先を託児所に迎えに行く。

今日はきっかり定時に出る事が出来た。

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