運命の出会いって信じますか?
会社の入口の所で、生都くんが待っていた。

歩きたがる真先を真ん中に私達は手をつなぐ。

「もし妊娠していたら、同居の件はちゃんと考えてよ。」

生都くんは念押しするかのように私を見た。

私は溜息をついた。

生都くんがサポートしてくれたら、このまま東京で子供達と生活をしていけるだろう。

でもそれは生都くんのこれからを台無しにしてしまうかもしれない。

「約束は出来ない。」

私はぽつりと言う。

「ダメ。これは俺の中では決定事項だから。」

ここまで譲らない生都くんは珍しい。

「俺は華さんと真先くんのそばに居ることに決めたんだ。」

怖いほどの生都くんの真剣な表情に私は何も言えない。

「今でさえも大変なのに、もし妊娠していたらどうするつもり?」
< 414 / 478 >

この作品をシェア

pagetop