運命の出会いって信じますか?
真先を気にしながら、生都くんは私を見た。
「確かに東京には知り合いが居なくて、生都くんにはすごく助けてもらっているわ。でも…。」
強い生都くんの視線がそれ以上私に何も言わせなかった。
「俺は駅で真先くんと電車でも見てくるよ。」
そう言うと、生都くんと真先は私と産婦人科の前で別れた。
私が真先を出産した病院だ。
30代後半ぐらいで、割と若い女医さんだ。
こちらに知り合いがいない私に、とても親身になったくれた先生だ。
診察室に呼ばれると、先生は私の顔を見て微笑んだ。
「しばらくぶりね、日下さん。二人目かな?」
茶目っ気のあるその先生の顔を見るとホッとする。
「検査しましょうね。」
私はその後もう一度待合室に戻され、結果を待った。