運命の出会いって信じますか?

真先を気にしながら、生都くんは私を見た。

「確かに東京には知り合いが居なくて、生都くんにはすごく助けてもらっているわ。でも…。」

強い生都くんの視線がそれ以上私に何も言わせなかった。

「俺は駅で真先くんと電車でも見てくるよ。」

そう言うと、生都くんと真先は私と産婦人科の前で別れた。

私が真先を出産した病院だ。

30代後半ぐらいで、割と若い女医さんだ。

こちらに知り合いがいない私に、とても親身になったくれた先生だ。

診察室に呼ばれると、先生は私の顔を見て微笑んだ。

「しばらくぶりね、日下さん。二人目かな?」

茶目っ気のあるその先生の顔を見るとホッとする。

「検査しましょうね。」

私はその後もう一度待合室に戻され、結果を待った。

< 415 / 478 >

この作品をシェア

pagetop