運命の出会いって信じますか?
私の目からはポロポロと涙が零れ落ちる。

「華さんのご主人に会えて良かったな。」

一度目はいつもの化粧品を届けてくれた宅急便の配達員としての生都くん。

そう、あの時の私は信じられないくらい英輔に幸せをもらっていた。

その分、生都くんにはひどい対応だったけれど。

二度目は私に別れの手紙をうちのポストに入れに来た一人の男としての生都くん。

あの時に英輔に生都くんの事を紹介して、ちゃんといきさつを話したんだったな。

「華さん、我慢しなくてもいいんだよ。前にも言ったけど、泣きたい時は泣いてよ。俺に気を使わないでよ。」

私は涙を止める事が出来ないまま、うちに帰って来た。

ドアを開けて中に入るなり、真先を抱きしめて声を出して激しく泣き出してしまった私。

もう私自身にも止められなくて…。

「華さん、今日は新しい命が確認されたおめでたい日だよ。ちゃんとご主人にも報告しなくちゃ。」
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