運命の出会いって信じますか?

散々泣き明かした私に、生都くんが言った。

いつの間にか真先は生都くんに抱かれていて、眠っていた。

中に入ると、英輔の写真に手を合わせる。

英輔の仏壇はここにはない。

お墓も含めて、すべて岐阜の英輔の実家にある。

それは岐阜のご両親の強い意向だった。

だから私は英輔の写真たてにお水と線香をあげている。

それも最近、生都くんに言われて始めた事。

その前で手を合わせる。

英輔、ありがとう。

お腹の子はお父さんを知らない子になってしまったけれど、その分母親である私が頑張るからね。

私の後ろで、真先を布団に寝かせた生都くんが一緒に手を合わせてくれている。

生都くんが何を思っているかは分からない。

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