運命の出会いって信じますか?

「でも…、生都くんは私のお姉ちゃんの事は許せたの?」

私はずっと気になっていた事を聞いてみる。

「本人達が納得して別れた時点で、すべてが終わったんだよ。でもさ、華さんのご両親やお姉さんがここに来ることはないの?」

きっと言葉以上に葛藤はあったんだろうとは思う。

でもその事を話したがらないのなら、そんな生都くんに私も合わせよう。

「お兄さんにはちゃんと生都くんの事は話したんだけどね。他の人には話していない。それに私が落ち着くまでこっちには来ない様に言ってあるの。」

私はテーブルの向かいに座っている生都くんに笑う。

「家族と顔を合わせてしまうと、まだこんな状態の私に心配ばかりかけてしまうから。私はまだまだ名古屋に行ける状態じゃないしね。」

そして生都くんに言わない理由がもう一つ。

家族に生都くんからこんな風に助けてもらっている事を知らせてしまう事で、生都くんがここを出て行くことが出来なくなってしまってはいけないから。

初めて知った生都くんの責任感の強さ。

でもそれに甘えてばかりはいられない。
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