運命の出会いって信じますか?
う~ん。
2つしか歳は変わらないはずなんだけど、はるかに大人の考えをしているお姉ちゃんに少し距離を感じる。
「私には分からないわ。」
私は諦めたように言葉を吐く。
「華みたいにずっと一人の人と付き合うなんて、それもまたすごいよね。会社に入ってからだから…、もう8年もでしょ?飽きたりしないの?」
お姉ちゃんのその台詞、何回聞いたか…。
「とにかく、英輔からプロポーズもされたの。だから私の方は大丈夫だから。」
そう言ってしまって、私は慌てて口を押える。
「…へ~え、何だかいつもより反抗的だなと思ったら、そういう事か。」
お姉ちゃんがニヤリと笑う。
うっ…、美人のこういう表情は背中に寒気を感じる。
「お母さんに報告しても良い?」
「ううん、まだ黙っておいて。先の事は分からないし、私も英輔と顔を合わせて、もう一度確認したいから。」