運命の出会いって信じますか？

「とにかく早く赤ちゃんを出したいと思います。」

先生にそう言われて、生都くんは手術の承諾のサインをしてくれた。

そして緊急手術が始まったらしい。

その間に生都くんは会社の託児所に真先を迎えに行き、私が準備していた入院のための荷物を持ってきてくれた。

これはすべて私が後で聞いた話。

私にかかわってくれた人に感謝、感謝だ。

緊急帝王切開で英輔との2人目の子供が生まれた。

麻酔の為、私はどうも半日ほど朦朧としていたようだ。

「華さん？」

私の意識がはっきりとして来た時、目の前で心配そうに私の顔を覗きこんでいたのは、やっぱり生都くんだった。

「生都くん、赤ちゃんは？」

私の心配そうな表情に、生都くんはニッコリ笑う。

「元気な男の子だよ。先生の判断が早くて、赤ちゃんには全く問題がない。」