運命の出会いって信じますか?

私の言葉を聞くと、お姉ちゃんは優しい表情になった。

「華、おめでとう。華は男を見る目が有ったんだね。長い間付き合っているのに、華から結婚の話が出て来なかったから、二人は上手くいっていないんじゃないかと心配していたの。」

お姉ちゃんはすくっと立ち上がった。

「しょうがないわね。華に頼めないんだったら、私がお見合いするしかないか。
お母さんの顔を潰すわけにもいかないしね。」

そして抱えていたお見合い写真をチラリと見ると、すぐに私の方を向いた。

「急に押しかけてごめんね。」

そして用事は終わったとばかりに、風のように去って行った。

「お姉ちゃんらしすぎるわ。」

私はそうつぶやいて、お姉ちゃんを見送った。


















< 45 / 478 >

この作品をシェア

pagetop