運命の出会いって信じますか?

「血は繋がってないけど、図々しいけど親になったような気がした。男はこうやって父親になるんだなって思った。」

きっと私達の事情を知っている先生の配慮だろう。

生都くんの目も潤んでいるように見えた。

「生都くんさえ良ければ、この子の名前は予定通り瑛吾で良いかな?」

私は真先の頭を撫でながら聞いた。

生都くんが私から赤ちゃんを抱き上げた。

「もちろんだよ。そんな良い名前、他にはないと思うよ。」

生都くんは本当に愛おしそうに瑛吾を抱いている。

「なー、抱っこして。」

その様子を見た真先のやきもちだろうか。

真先は生都くんに手を差し出す。

「真先、今はお母さんと一緒に居てよ。」

真先は私を不思議そうに見つめる。

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