運命の出会いって信じますか?
19
入学式の間、私の頭の中は一つの事ばかり考えていた。

生都くんの話は何だろう。

最近子供の手が離れてきたせいか、寝る前の1時間ほど生都くんは自分の部屋にこもるようになっていた。

やっと自分の時間が出来たという所なんだろう。

やっぱり生都くんもこれからの事を考えているんじゃないだろうか。

これまで当たり前にそばに居てくれた生都くんが私達から離れていってしまう。

頭では分かっていても、気持ちがなかなかついて行かない。

私は無意識にその事に捕らわれていた。

長い長い一日がやっと過ぎて行くような気がする。

「瑛吾もあっという間に小学生になったな。」

リビングでソファに座り、生都くんがお風呂から上がった私に言った。

「お互いに子育てで必死だったね。」

私はバスタオルで頭を拭きながら答えた。
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