運命の出会いって信じますか?
笑いをこらえたような生都くんの表情。

「ところでさ、華さん。」

生都くんは私を真剣な表情で見た。

「俺は華さんのご主人の亡くなった歳を超えてしまった。」

私はそんな生都くんの言葉に耳を塞ぎたくなる。

「どうしたの?華さん。」

生都くんが私の様子を不思議そうに見る。

私はぎゅっとつぶっていた目を開けた。

「…生都くんはここを出て行くの?」

私は恐る恐る聞いた。

「えっ?」

生都くんはとても驚いたようだ。

「だってもう瑛吾も小学生になったし…、そろそろ自分の為にいろいろ考えた方が良いんじゃないの?そのためにはここを出る方が都合がいいよね?」

生都くんはさらに目を丸くした。
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