運命の出会いって信じますか?

生都くんは一瞬天を仰いだ後、もう一度私に向き合った。

私にはあの里帰りはとても意味があるものだった。

もしかすると生都くんにとっても…?

「瑛吾が産まれた時に、俺は華さんの家族に電話しただろう。あの時にはもう覚悟は出来ていたんだ。子供達の事を第一に考えている華さんを見ていて、華さんがちゃんと俺の方を見てくれるのはどのタイミングなんだろうと考えていたんだ。」

私は身体が震えだした。

「それは瑛吾の小学校の入学式だと思った。それなら子供達も事情が分かるだろうし、そして何より、俺は華さんと出会ってからの期間が、ご主人が華さんと一緒に過ごした10年より長くなったんだ。」

生都くんは少し照れたような表情を私に向けた。

「後は華さんの返事を聞くだけなんだけど…。」

そして生都くんは私を抱きしめた。

「華さん、やっぱり俺は華さんが好きだ。ずっと華さんが落ち着いたら言おうと思っていた。もうそばに居るだけじゃ満足出来ないんだ。」

生都くんの手にさらに力が加わった。
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