運命の出会いって信じますか?
「もちろん子供は大事だよ。もう自分の子だと思っている。でも俺はあんなきっかけだったけど、華さんと出会ったのは運命だったと思っている。一度あんな風に別れたのに、こんな形で再会するなんて。」

生都くんにもうあの頃の初々しい男の子の面影はない。

「岐阜に行ってご主人のお墓にちゃんと話をしたよ。」

生都くんもすっかり大人の男性の顔になった。

「華さん以上の人を見つけると約束したのにやっぱり無理でしたって。この先ご主人の代わりに俺が華さんや子供達のそばに居る事を許して下さいって。」

私はまた涙が浮かんでくる。

「あの時ね、英輔に何年かしたら生都くんとゆっくり話をしたいなって言ったの。」

「そう。」

生都くんが私の顔を見た。

「そしたらね、英輔は俺も連れて行けって言ったのよ。」

私は涙があふれながらも、微笑んだ。

こんな風に穏やかに英輔の事を、生都くんに話せる日が来るなんて。

< 476 / 478 >

この作品をシェア

pagetop