運命の出会いって信じますか?

-華、元気か?そろそろそちらへ帰れるかもしれない。今日東京本社の方から打診があった。-

私は慌てて、もう一度読み返す。

そして数行間が空いたメールの続きに目を移す。

-俺がそちらに帰ったら、結婚しないか?-

私はパソコンの画面を眺めたまま、茫然としていた。

「英輔…。」

何故だかびっくりして、嬉しいという単純な感情は生まれてこなかった。

「良かった…。」

思わず私はつぶやいた。

正直、結婚なんてどうでもよかった。

英輔が帰ってくる…。

それはまた英輔のそばに居られるという事。

何だかそんな当たり前の事が、自分の心をホッとした温かいもので満たした。
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