運命の出会いって信じますか?
彼はさっきと同じように私の手をつなぐと、少し小走りにお化け屋敷を抜けていく。
さっきまでは怖くてしょうがなかったけれど、今はその英輔に付いて行くだけで必死な私。
まだまだあるお化け屋敷の仕掛けを無視して走り抜けている私達。
出口のもうすぐの所まで来たらしい。
先が明るく光っている。
お化け屋敷を出ると、立ち止まった英輔の横で私は大きく深呼吸をした。
「もう絶対お化け屋敷には入らない。」
私のその言葉に英輔は笑い出す。
「俺には思い出の場所になったんだけどな。」
英輔はそう言うと、お化け屋敷の中でしたように、今度は正面から私を包み込んだ。
「華、やっぱり俺は華が好きだ。」
もう英輔の気持ちは分かっていたはずなのに、はっきり言葉で言われたのは初めてだった。