運命の出会いって信じますか?
「ちゃんと付き合ってくれ。こんな弱い華を他の男に見せたくない。」
「日下君…。」
ついいつものように彼を呼んでしまう私。
英輔は少し腕の力を抜くと、私の顔を覗きこむ。
「英輔って呼べよ。」
そして私達は唇を重ね合わせた。
普段の私からは考えられないくらい自然な行動だった。
「そろそろ出ようか。」
英輔はニッコリ笑って、でも有無を言わせずに遊園地の出口に向かっていく。
まだまだ夕方という時間帯。
若いカップルはこれから入場してくる。
そんな流れに逆らって、小さな子供達を連れた家族連れと同じ方向に向かう私達。
「有意義な一日だった。」