運命の出会いって信じますか?
ぼそりと英輔がつぶやいた。

「ん?」

私は英輔の方を向いた。

「今日の華の姿は、一番会社で見る事が出来ない姿ばかりだったよな。何か得した気分。」

恥ずかし気もなくそんな事をいう英輔から、私は視線を外した。

「もう。最悪。」

私は苦笑いをしながら、足元を見る。

遊園地の出口を出ると、彼はすぐそこにあるベンチに私を連れて行った。

「ちょっと休憩しよう。」

そう、私は気分的にくたくただった。

「有りがたいわ。」

そう英輔に微笑み、ベンチにぐったりと座る。

「華、これから食事してからの事なんだけど…。」

英輔はちょっと真面目な顔をして、私の顔を覗きこむ。
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