運命の出会いって信じますか?
「俺の言っている事は、間違ってないと思うけど?」

私の顔が赤くなっている事に、当然英輔は気が付いているんだろうな。

「私も英輔の事、もっと知りたいかも。でも今日はちゃんと家に帰りたいから、社宅にする。」

英輔は参ったな…と言いたげな表情を見せた。

「今日は手を出すな…って事だな。」

私は笑ってうなずく。

「お姉ちゃんの言いなりにはならないよ。」

結局、私達は途中でゆっくりと食事をして、英輔の社宅に寄ってまたゆっくりと話をして時を過ごした。

その後、きちんと私を家まで送ってくれた英輔。

二人とも言葉にはしなかったけれど、気持ちが初めて通じ合った気がした。

いや、私がちゃんと英輔に気持ちを向けたという方がしっくりくるかもしれない。

英輔の気持ちはもう既に私の方に向いていたであろうから。

結局ゴールデンウィーク中、ほとんどの時間を二人で過ごす事になったのは言うまでもなかった。
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