運命の出会いって信じますか?
そう、真美は当然ベテランの営業さんとコンビを組む。
連休前に以前の担当の事務の人と必死に引継ぎを行っていたのだ。
それに比べると、新人同士組むことになった私は、まずは英輔が他の営業さんから引き継いだ契約からなので、大した仕事量ではない。
真美のデスクの上は書類と伝票がたくさん散らばっている。
私の方は全くないと言って良い状態だった。
「おはよう。」
そこに英輔がやって来た。
「おはよう。私は何をしたらいい?」
横でデスクの上の書類の確認を始めた真美の方を見る。
「そうだな。まずは俺が営業で仕事を取って来てからだけど…。まずはこの引き継いだ件の確認をしよう。」
こうして仕事で一緒に居る私達を誰も恋人同士だとは思わない。
英輔も私も特にその関係を真美以外に自分達から話す事もなかった。
結局初めの1か月ほどは、二人で打ち合わせばかりしていたような気がする。