運命の出会いって信じますか?
「向こうから断らせようと思って、初体面の時に上司と不倫している事とか証券会社での仕事が楽しくて家事なんかした事がない事とか全部洗いざらい話したのよ。」
うわ~、相手の人すごく気の毒…。
そんな私の気持ちは全部表情に出ていたらしい。
「私だってさすがにその華の反応が普通だと思うわよ。それがね…。」
お姉ちゃんは珍しく少しためらったような様子を見せた。
あれれ?
いつものお姉ちゃんと違う。
「その人は、…柏木さんって言うんだけどね。私の為にその不倫を辞めてもらえませんか、家事は一緒にしていきましょう…なんてすっかり余裕の態度で言うのよ。」
頬杖をついて、お姉ちゃんはふ~と息を吐く。
「なんて言うのかしら…。毒気を抜かれちゃったと言うのかな。私の方が混乱して帰ってきちゃったのよ。」
「それで?」