運命の出会いって信じますか?
私は思ってもみなかった話の内容に身を乗り出して、お姉ちゃんに聞く。

「帰るとすぐにうちにこのお見合いを世話してくれた人から連絡が来てね、柏木さんの連絡先を教えるから、この先は二人でどうするか決めてくれって。それが先方の希望だと言うの。」

柏木さんは頭のいい人だ。

きっとお姉ちゃんから連絡をさせるように仕向けたのだ。

どんなお姉ちゃんでも受け止めるという、その柏木さんの覚悟が見えるような気がする。

「…いつものお姉ちゃんなら、そのまま連絡せずに自然消滅を狙う所だよね。」

ぼそりと私が言った。

「それがね、何故だか散々迷って一週間後に連絡した。」

お姉ちゃんは大きな溜息をついて、私を見た。

「とにかく柏木さんに会いたくなっちゃったのよ。」

するとお姉ちゃんは私から視線を外し、少し遠くを見て手を挙げた。

「ん?」

私はお姉ちゃんの視線の方を振り返る。
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