恋の魔法と甘い罠Ⅱ
「玲夢?」


「え」


「何だよ、俺といるのがそんなに嫌?」


「……え?」



晴希さんの眉は深く皺が刻まれるほどに寄せられていて。



「そんなわけ……」



ない、というはずだった唇を、晴希さんは強く押し付けるように塞いできた。


運転中じゃないの!? なんて思ったけれど、今はちょうど赤信号に引っ掛かったらしく、そのまま咥内に舌を滑り込ませてくる。


歯列をなぞり咥内を刺激しながら舌をちゅうっと軽く吸い上げると、すぐに離れていった。



「帰ったらすぐに抱き締めて、こうやってキスしようと思ってたのに……うちに玲夢が居ないっつーことに気づいたときの俺の気持ち、わかる?」


「……」
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