恋の魔法と甘い罠Ⅱ
昔からすべてを見透かされているんじゃないかというほどに、何でも見抜いていた。


それが居心地悪いと思うこともあったけれど、それでも何でも気づいてくれるから、寂しいと思うことは一度もなかった。


別れのとき以外は。



「うまくいってんの?」


「え」


「その彼氏と」



うまくいってる……はず。


ただ、あの女(ヒト)の存在が胸を痛くしているだけ。



「へえ……、不安なことがあるんだ?」


「え!」



大きく瞳を見開きながらパッと顔をあげたあたしを見て、朔はぷっと吹き出す。



「相変わらずわかりやす。そういうとこ、全然変わらねえのな」
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