恋の魔法と甘い罠Ⅱ
また見透かされた発言に、何も言えなくなる。



「付き合ってどれだけ?」


「一年半」


「へえ、俺らんときと同じじゃん」



俺らんときって、朔とあたしのときってこと?


確かに一年半だったけれど。


晴希さんとはこの先ずっと一緒にいるわけだし、同じでないよね。



「秋に……」


「ん?」


「結婚するんだ」


「は? ……マジで?」


「うん」



あまりにも吃驚したような表情を向けてくるから、何だか居心地が悪くなって顔を伏せる。


朔は頬杖をついて窓の外を見ながら「ふーん」と溜め息混じりの声を出す。



「朔」


「ん?」


「そろそろ帰ってもいい?」


「……」
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