恋の魔法と甘い罠Ⅱ
なんて思っていると、その疑問に答えるように朔が教えてくれた。
「元々ここで就職が決まったんだけど、入社と同時に関西支社勤務になってさ」
なるほど、ふむふむと頷く。
「玲夢は?」
「え?」
「わざわざ親元離れてこの土地に来たのはなんで?
──もしかして、俺に会うため、とか?」
「ち、違うよ! 大学がこっち方面だったんだよ!」
ここに決まったとき、この辺りに引っ越していった朔の顔が浮かばなかったわけではない。
けれど、あのときにはあたしの中の朔はもう過去の人になっていたから。
「そんなに力一杯否定しなくてもよくね?」
朔はそう言いながら苦笑する。
「元々ここで就職が決まったんだけど、入社と同時に関西支社勤務になってさ」
なるほど、ふむふむと頷く。
「玲夢は?」
「え?」
「わざわざ親元離れてこの土地に来たのはなんで?
──もしかして、俺に会うため、とか?」
「ち、違うよ! 大学がこっち方面だったんだよ!」
ここに決まったとき、この辺りに引っ越していった朔の顔が浮かばなかったわけではない。
けれど、あのときにはあたしの中の朔はもう過去の人になっていたから。
「そんなに力一杯否定しなくてもよくね?」
朔はそう言いながら苦笑する。