恋の魔法と甘い罠Ⅱ
そんなことを考えていたら、早く晴希さんに会いたくなってしまって。



「帰ります」


「ん。晴希によろしくな」


「はい」



頬を緩ませながら見送ってくれる凪さんは、あたしがまた不安を抱えているってきっとわかっている。


だからあーやって安心させてくれるようなことを言ってくれたんだと思う。



石崎さんから言われたことはあたしにはとても悲しくて辛かった。


その上、課長が話してくれた、あの人が専務の娘だってことも変えようのない事実だから、もしかしたらまた何かあるかもしれない。


けれど、晴希さんはいつもあたしのことを考えてくれているし、ちゃんと晴希さんからの愛も感じているから、あたしが不安になることは何もないんだよね?


いつでもそう信じていたいと思う。
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