恋の魔法と甘い罠Ⅱ




「おかえりなさい」


「ただいま」



そう言ってちゅっと唇を重ねた晴希さんは、すぐに離れて首を傾げる。



「あれ? 飲んだ?」


「うん。『FLOWER RAIN』に行ってきちゃった」


「へえ。凪は元気にしてた?」


「うん。晴希さんによろしくって言ってたよ」


「そっか」



あたしの髪をくしゃりと撫でたあと「着替えてくる」と言って寝室に入っていった。


テーブルの上に夕飯が並んだ頃、晴希さんも戻ってきて一緒に食卓を囲む。



「いただきます」



缶ビールを飲みながら食事を始めた晴希さんは、半分くらい食べてから様子をうかがうようにあたしの顔を覗き込んできた。
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