恋の魔法と甘い罠Ⅱ
「で?」


「え?」


「今日は何があったんだ?」


「……」


「一人で凪んとこに行って、しかも飲んでくるなんて、何かあったからだろ?」



前に不安があまりにも大きくなりすぎて一人で『FLOWER RAIN』に逃げ込んでから、晴希さんはあたしの少しの変化も気づいてくれるようになった。



「今日ね、石崎さんに声をかけられたの」


「……は?」


「なんかね、晴希さんとあたしの関係を疑ってるみたい」


「……」



晴希さんは少し考え込んだあと、小さく息を吐きながら「マジかー」と呟く。



「厄介なやつに気づかれたかもな」


「え?」


「いや、あいつ少し自己チューなとこあってさ」
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