恋の魔法と甘い罠Ⅱ
「玲夢ちゃん、何かあったの?」



紗羽さんと悠亜さんはA定食、あたしはかけうどんを食べ始めたとき、悠亜さんがあたしの方へちらりと視線を寄越しながら口を開いた。



「朝から体調が悪いんでしょ?」


「えっと、これは……二日酔いで」



確かに体調が悪いのは二日酔い。


けれど、心が重たいのはあのことがあるから。


いつも噂を先取りしている悠亜さんは、あのことを知らないのかな?


きっと知っているなら悠亜さんから言ってくるはずだよね。


いつもそうだもん。



「実は……」



箸を置いて話し始めたあたしに、何かあったことを悟ったのか、紗羽さんも悠亜さんも真剣な表情になる。
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