恋の魔法と甘い罠Ⅱ
確かに一サイズほど大きい。


けれど、それは故意に選んだもので。



「あのね、実は……」



晴希さんに一歩近づいて耳許でこそっと呟く。



「ここに、いるの」


「何が?」


「赤ちゃん」


「……は?」



お腹に当てているあたしの手とあたしの顔を何度か交互に見ている晴希さんは、なんだかまだよくわかっていないらしく。


けれど突然叫ぶような声をあげた。



「マジで!?」



でもそれはこの場所には不釣り合いの大きな声で。



「す、すみません!」



慌てて周囲の人に謝っている晴希さんに、思わずくすくすと笑ってしまった。
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